2009年12月19日土曜日

Laul - eesti klutuur -




ルームメイトの Tuomas、フラットメイトの Eemil, Eevert 兄弟が冬休みでフィンランドの実家へと帰ってしまい、フラットには僕と香港の女の子2人、Maxine と Scottie だけとなりました。その他の留学生も学期を終えて実家に帰り始め、クリスマスと新年を控える師走の喧噪の中、昨晩は Genialistide Klubi というクラブにて「人生初」のライブを聴いてきました。バンド名は "ZETOD"。Setomaa という、エストニア南部に住んでいる少数部族(?)出身の4人組で、白地に編み模様の民族衣装をまとって Setomaa の民族音楽を取り入れた "Folk Rock" を奏でます。お経を読んでいるようなテンポと低く重い声、アコーディオンの音色が心地良いメインメロディーから突然アップテンポなロックで走り出すギャップ、どれをとっても新鮮でいい!

以下、ライブに熱狂する観衆を眺めていて思ったことです。

昨年からの経済危機でエストニア人の生活というのは大変だと思う。人は日々苦しんで、一向に明るい光の射して来ない生活に不安を感じていると思う。それでも、北海道よりも小さなこの国の少数部族出身の若者の舞台に、たくさんの人が心の底から楽しんでいる。北国の暗く、寒く、侘しい冬の生活も、一瞬で掻き消してしまう。それを見て、あぁ、これが「文化」なのかと、そう感じた。視覚的・学術的な意味での文化じゃなくて、精神的な意味での、その国の国民を勇気付け、奮い立たせ、見えない糸でつなぎ合わせる「文化」。歌う国、エストニア。ソビエト占領時代も「歌」という文化で人々の結束を保ち続けてきたこの国に住んでみて、そして実際に人々が生き生きと合唱する様を見て、各国の「文化」が尊重されなければならない理由、それが失われていくことが人々にどれほどの精神的影響を与え得るか、微量ながらも「頭」ではなく「心」で感じ取ることができた。それは他人が勝手に取り上げていいものでも、理由もなく貶していいものでもない。

文章が上手でないので、感じたことを正確に文字にして表せませんが、僕は "ZETOD" のメンバーとエストニア人の観衆が笑顔で楽しそうに歌っているのを見て、彼らの文化を本当に羨ましく思いました。

まぁ、辛気臭い話は置いといて、是非とも "ZETOD" をお聴きあれ。

0 件のコメント:

コメントを投稿