先週末に行って来た、エストニア南部への旅行について少々書きたいと思います。
ハンガリー人のDanielが運転する車に乗り、まずはエストニアの冬の首都、スキーで有名なOtepää という街へ行きました。いつも通り最初はツアリズム・インフォメーションで街の地図や名所について尋ねるのですが、なんと受付の女性が“日本語“を勉強していた!!こんな小さな国の小さな町の人が自分の母語を勉強していることにちょっと嬉しくなった。異文化交流の小さな小さな芽を見つけた瞬間です。その他、宇宙から気を集めている(!?)“Energiasammas“という謎のオブジェクト、ダライ・ラマ14世がお祈りをした“Püha järv“という美しい湖、エストニアの10クローン札に印刷されている“Sõjatamm“という巨大な樫の木(写真1枚目)、それらを囲むなだらかな数々の丘など、Otepääは数々の見どころを持つ非常に美しく平和的な街です。
その後、Otepääからさらに南に下った Sangaste という街の教会と荘園屋敷を見て回り、そこから東のVõruという比較的大きな街でプロテスタントの教会、ロシア正教の教会を見学しました。ロシア正教会内部では礼拝が行われていました。あたりも暗くなってきたので一晩お世話になる、Ruusmäe という小さな村の Rogosi manor house(写真2枚目) へ向かいます。宿の管理人さんはエストニア人には珍しくとても陽気で笑顔の素敵な方。その内ブログに書こうと思いますがエストニア人はもの凄くシャイです。一晩2人部屋+サウナでわずか190EEK(≒1700円)。他に宿泊客はなく、一晩、この立派なmanor house のあらゆる設備が使い放題。お茶・コーヒーを好きなだけ飲めて、真夜中に音楽を流しても問題なく、サウナも好きなだけ入っていられる。修学旅行の時のように童心に帰って楽しんだ、といってもまだ19歳。サウナでは Daniel と旅について語った。25歳の彼は東欧やバルカン半島の小国を中心にヨーロッパでは27カ国を旅し、アフリカや東南アジアにも旅をしたことがあるという。しかもヨーロッパ圏内の移動手段は飛行機ではなく、全て電車。さらにホテルには泊まらず必ずテント、寝袋持参のタフな旅を好む。今回の旅行の立案・計画者も彼で、旅行先に関する予備知識の量、旅先で例え言葉が通じなくても現地の人に情報を尋ね理解しようとする姿勢、旅行帯同者への気配りなど、旅に慣れているだけあって見習えることがたくさんある。生真面目な人かと思えば、ユーモアもあり、どこかネジが抜けているような面もあって、エストニアで出会った人の中で一番カッコいいと思える。
そんなことを考えながら夜が明けるとあたりは白銀世界。深夜から降り続いている雪の中を夏用タイヤで出発。雪の降り積もった野原にぽつりとそびえる"Plaani"ロシア正教会(写真3枚目)を訪れた後、再びエストニア最高地点の"Suur Munamägi"へ。先週の快晴とは打って変わり、展望はゼロ。そこから東へと向かって、Vana-Vastselinna という街の要塞跡、"Piusa Koopad"という砂岩の洞窟などを観光。途中の Obinitsa という街では、僕のお気に入りの映画"Into the Wild"に出てきたような乗り捨てられたバスがあったのですが、DVDのジャケットと同じ写真を撮るのを忘れてしまいました。その代わり、貨物電車の上に登って同じポーズの写真を撮りました(写真4枚目)。
今回の旅で一番ドキドキしたことは、エストニア-ロシア間の国境に近付いたこと。国境地点には"Stop"のゲートがあり、そこで写真を撮っていると、監視カメラに写った僕らを追いかけて来たロシアの国境警備兵(武装はしてないけど)に即刻立ち退くよう警告されました。これに懲りないDanielは再びその他の国境地点を目指します。次の国境地点には英語を話せるエストニア人国境警備兵(写真5枚目)が居て、彼によると、国境の10m付近には立ち寄ってはいけない、国境付近の写真を撮ってはいけない等のルールがあるとのこと。いろいろと危ないことをしつつ、次はロシア領土内を通るエストニアの道路へ行くことに。この道路はエストニア-ロシア間の協定でエストニアの車でもビザ無しで自由に行き来できる場所なのですが、この道路上で停車や、車の外に出ることは禁止されています。ここでも懲りない Danielは「タイヤの調子がおかしいから確認したい」とかなんとかいって車から降りようとしましたが、全員の反対によって彼の試みは退けられました(笑)危険なことをしたがる彼の性格にみんな少し呆れていましたが、僕は好きです。
そんなこんなでTartuへの帰路の途中、ふと空を見上げるとプラネタリウムを見ているかのような一面の星空。車を降りてしばらくの間、ガンダムの「めぐりあい」を聴きながら感傷に浸る.....、素晴らしい旅のエンディングとなりました。
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