2009年11月4日水曜日

Mulle ei meeldi Tallinn





先週末の Tallinn への旅行について簡単に書こうと思います。

Tallinn の旧市街についてはいくらでも情報が手に入るので他に譲るとして、その場で感じたことについて少々。

第一に、率直に言って、つまらなかった。Tallinn 旧市街は完全なる観光地。中世の衣装を身に纏って営業スマイルを振りまく人々。値の張るレストラン。たくさんの観光客。そしてたくさんのロシア人。日本人の僕が言うのも失礼だけど、この街では"エストニア"という国を感じなかった。これが都会の宿命なのかな。

歩いていてもロシア語ばかり耳に入ってくる。エストニア語が聞こえるとホッとする。そんな時初めて、自分はエストニアに恋をしている、と気が付く。1年間勉強した、あの美しいロシア語がどれだけ不快に聞こえたことか。Tartu に2カ月住んで、旅行もエストニアの田舎町にばっか行ってきたから、この街の雰囲気には耐えられなかった。ルームメイトの Tuomas によると、Tallinn には酔っ払いフィンランド人やロシア人などによる観光客を狙った犯罪・トラブルも多いらしい。

エストニア人の友人や先生とも話したけど、Tartu がエストニアで一番の街だということで意見が一致する。Tallinn の様な華やか旧市街があるわけでもなく、大きなショッピングモールがあるわけでもない、人口も Tallinn の4分の1しかないけど、誰もが好きになる街、それが Tartu 。Tallinn のクソ高いレストランで食事をしている時、安く、美味しく、親切な店員のいる Tartu のレストランがどれだけ恋しかったことか。この感覚を Tartu を知らない人に言葉で説明することはできないけれど、知らず知らずのうちに誰かに恋した時と同じ感覚です。言葉が見つからなくても、その人を愛して疑わない感覚。そしてこの街を作り上げているのはやはりこの街に住むエストニア人たちであって、どれだけシャイな彼らであっても、僕はもうエストニア人に恋しているわけですね(笑)

Ma armastan sind, Tartut!!!!

感情的になりたくなるほど大好きな街 Tartu についてでした。

第二に、写真を撮ることに飽きた。特に教会などの建物や展望台からの景色などの写真には飽き飽きしてきた。香港の留学生に教わって凝り始めた写真だけど、今自分がしてる旅行は写真を撮るための旅行なような気がしてならない。アングルを探すのに時間を使うのはもったいないし、面白い風景を見つけるために辺りを探し回るのも疲れる、写真を撮った後に編集するのも面倒だ。今回の旅は写真の師匠 Eugene と行ったけど、お互いにより良い写真を撮ろうと競っているような雰囲気があってそれも嫌だった。そして何より、写真に「人」が写っていないこと。どんなに綺麗な写真でも下らなく見えてくるのはそこに「人」がいないからだ。ここに写真を2枚掲載したけど、教会が写っているほうの写真は嫌いになった。もう一方の写真の男性が誰かは知らないけど、よっぽど見ていて心動かされる。

旅行中、教会の受付の女性と、展望台でエストニア音楽のCDを売っている男性とエストニア語で話す機会があった。拙いエストニア語でも彼らの母語でコミュニケ―ションしようとしている日本人の話を優しく丁寧に聞いてくれた。両方とも僅か5~10分程度の会話だったけど、この旅行中に見てきたどんな素敵な景色や建物よりも心に焼きついた思い出だ。公園を散歩しているエストニア人の写真も数枚撮ったが、旧市街で撮ったどの写真よりも美しく輝いている。

十人十色。人それぞれ旅に求めることは違うけど、少なくとも自分がしたいことは写真を撮ることではないと気付いた、ある意味とても重要な Tallinn への旅でした。

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